「明日も」の歌詞を紐解く上で欠かせないのが、メンバーの地元である神奈川県川崎市をホームタウンとするJリーグクラブ・川崎フロンターレの存在です。
宮崎朝子はかねてより熱心なフロンターレサポーターとして知られ、等々力陸上競技場のスタンドに幾度となく足を運んできました。そこで彼女が目撃したのは、スタジアムを埋め尽くす観客たちが持つ「二面性」でした。平日はスーツを着て頭を下げ、作業着に身を包んで汗を流す名もなき人々が、週末になると青と黒のユニフォームを纏い、声を枯らしてピッチ上の選手たちを鼓舞している――その光景こそが、歌詞の根幹を成しています。
《月火水木金 働いた》《良いことばかりじゃないからさ》と歌われる導入部は、決してフィクションの物語ではありません。競技場で隣り合わせた市井の人々の生活そのものです。宮崎にとっての「ヒーロー」とは、手の届かない偶像ではなく、「次の週末に会えるからこそ、過酷な平日を耐え抜くことができる存在」でした。対象はサッカー選手であれ、推しのアイドルであれ、あるいは家族や愛する人であれ構わない。日々の労働を肯定するための処方箋として、この歌詞は設計されています。