「金沢駅総本山」という重厚な響きの裏にあったのは、金沢の洋食文化を世界に発信するために東京から始まった、熱い逆輸入のドラマでした。創業の地ではないという事実は、決してこの店舗の価値を損なうものではありません。むしろ、地元への敬意とグローバルな野心を併せ持つブランドが、最も熱意を込めて作り上げたショールームこそが、この駅構内の店舗なのです。
銀色のステンレス皿に美しく並ぶ揚げたてサクサクのカツ、何十時間も手をかけて凝縮された漆黒の濃厚ルー、そして先割れスプーンですくい上げる一口の破壊力。金沢の旅のプロローグとして、あるいは旅を締めくくる最後の一幕として、改札のすぐそばで湯気を上げるその一皿は、訪れたすべての人の記憶に濃厚な足跡を残し続けます。