物語の口火を切る第1話では、人生の行き場を失った紫門が、まるで何かに引き寄せられるようにして北の岬へと辿り着きます。自ら命を絶つことすら選べずに倒れ込んだ彼を救ったのが、マリアでした。彼女が出した一杯の温かい滋味あふれる料理が、凍てついた紫門の感覚を呼び覚まします。彼はそのまま、店の雑用を手伝う条件で「まぐだら屋」に身を寄せることになります。
続く第2話では、平穏を取り戻しかけた紫門の日常に不協和音が響き始めます。ふとした日常の光景から、彼が都会で犯した過ちと、信じていた者たちに裏切られたつらい体験を思い出してしまう場面が生々しく描かれました。公式から公開された場面カットには、暗がりの中で一人頭を抱える紫門の鬼気迫る姿が切り取られており、視聴者の胸を締め付けました。同時に、マリア自身もまた、過去に愛した者を救えなかった深い後悔を背負っていることが示唆されます。
そして物語が決定的な転換点を迎えるのが第3話です。周囲との絆が芽生え始めた矢先、マリアが「まぐだら屋」から突然姿を消してしまいます。店に残された手がかりと、岬を訪れる不穏な来訪者たちの影。紫門は自分が守られる立場から、マリアを探し出し救い出す側へと回らざるを得なくなります。この疾走感あふれる展開が、後半への強烈な推進力を生み出しました。