発売から20年近くが経過した現在でも、『旅立ちの日に…』は全国の小・中・高校の卒業式において、クラス全員で歌い継ぐ合唱曲の代名詞であり続けています。
この曲が学校現場で圧倒的に支持される理由は、旋律が持つ「自然な感情の起伏」にあります。Aメロの静かな語りかけから、Bメロでの葛藤、そしてサビで一気に視界が開けるようなドラマチックな展開は、10代の思春期が抱える寂しさと希望のコントラストを完璧にトレースします。プロのコーラスグループから学校現場の音楽教諭まで、誰もがその歌いやすさと感情移入のしやすさを認め、混声三部合唱など多彩な楽譜が出版され続けています。
さらに川嶋自身、長年にわたり全国の学校を訪れる「卒業式サプライズライブ」をライフワークとして継続してきました。体育館のステージで直接生徒たちに向けて贈られる「人は誰しも、一人で生きているわけではない」「これまでの出会いに胸を張ってほしい」というメッセージ。自らの喪失体験を乗り越え、母への愛を歌い続けたシンガーだからこそ放てる言葉の重みが、この曲を単なるポップソングから教育的な文化的財産へと押し上げました。