「しらこい」という言葉の根幹にあるのは、「とぼけている」「知らないふりをしている」という態度への指摘です。標準語における「白々しい(しらじらしい)」とほぼ同義として扱われますが、実際の会話における体感温度には明確な開きがあります。
標準語の「白々しい」は、嘘であることが誰の目にも明らかな発言に対して、客観的な呆れや冷めた視線を向ける際に多く用いられます。これに対し、西日本で交わされる「しらこい」には、話者の感情がより生々しく乗る傾向があります。「見え透いた嘘をついてその場を取り繕おうとしている狡猾さ」や「計算高さ」に対するツッコミの性質を帯びているのが特徴です。
例えば、明らかに自分がつまみ食いをしたにもかかわらず、「えっ、最初からケーキ減ってなかった?」と無垢な表情で言い放つ人物に対して投げかけられるのが典型的なシチュエーションです。単に事実と異なることを述べているだけでなく、その背後にある「ずる賢い立ち回り」を暴くニュアンスが色濃く漂います。