マッチングアプリの一般化は、恋愛プロセスの標準テンプレートを根本から解体しました。かつては「告白して付き合う」ことがすべてのスキンシップを解禁するゲートウェイでしたが、現在ではその因果関係が逆転するケースが増加しています。
ブライダル総研などの各種意識調査でも示されている通り、マッチングアプリを通じて交際に至ったカップルのうち、約35, 45%が「告白による正式な交際合意の前にキスまたは体の関係を持った」と回答しています。これは不誠実さの表れというよりも、極めて合理的なリスク回避行動として捉えられています。
現代のユーザーが重視するのは、形式的な言葉よりも「身体的・生理的なフィーリングの一致」です。タイパ(タイムパフォーマンス)を意識するデジタルネイティブ世代にとって、半年間かけて清純な交際を続けた末に性的な価値観の不一致で破局するコストは極めて高いと認識されます。「まず会って会話し、価値観と身体の相性を確認し、問題がなければ正式にパートナーシップを結ぶ」という逆算のアプローチは、昭和のABCモデルとは対極に位置するプラグマティズムです。
同時に、このスピード感の裏では明確な「性的同意(コンセント)」の重要性が強く叫ばれています。昭和的な「なんとなく雰囲気に流されて進むBやC」は、現代においては重大なトラブルや法的リスクを伴う行為として厳しく戒められる傾向にあります。