三山ひろしと妻の馴れ初めは、まさに歌謡界の古典的なドラマを地で行くものでした。高知県から上京した三山は、作曲家・中村典正氏と演歌歌手・松前ひろ子夫妻の門を叩き、住み込みの内弟子として下積み生活をスタートさせます。掃除、洗濯、師匠の送迎から歌唱指導まで、過酷な弟子修行に明け暮れる日々の中で出会ったのが、夫妻の次女である現在の妻でした。
2020年7月に放送されたテレビ番組のトークコーナーで、三山は妻との出会いをテレビ初告白として語っています。内弟子として生活を共にするうちに自然と互いを意識するようになり、愛を育んでいきました。しかし、立場の違いから交際を師匠に打ち明けるハードルは極めて高いものでした。弟子が師匠の娘と交際することは、歌謡界の掟において破門すら覚悟しなければならない重大事だったからです。
意を決して交際を報告した際、師匠の中村典正氏は激怒するどころか、温かくふたりの絆を認めたといいます。義父となった中村氏への感謝を語る際、三山は番組内で涙をにじませており、師弟関係を超えた家族の深い絆が浮き彫りになりました。