巨額化するFIFAワールドカップの放映権料は、日本のテレビ局単独での全試合買い付けを事実上不可能にしました。2022年のカタール大会でABEMAが全64試合無料生中継を成し遂げて以降、放映権の獲得構造は劇的に変貌を遂げています。2026年大会においては、伝統的な地上波中継局とデジタルストリーミング大手の協調的棲み分けが基本線となりました。
NHKおよび民放キー局(テレビ朝日、フジテレビ系列等)は、日本代表戦を中心に厳選された注目カードの地上波生中継を維持しています。国民的関心事となるグループステージ初戦、第2戦、第3戦、ならびに決勝トーナメント進出時の試合については、無料の地上波テレビ放送を通じて誰もがリアルタイムで熱狂を共有できる枠組みが堅持されました。
一方で、グループステージ全カードや他国の注目の対戦カードを網羅的に追う視聴者層には、DAZNをはじめとするOTTストリーミングサービスが不可欠なインフラとなっています。見逃しフルマッチ配信、ハイライト映像、マルチアングルカメラ機能、スタッツ連動ビューなど、デジタルならではの付加価値は有料プラットフォームに集約されています。