日本のテレビアニメ史において、1979年4月2日は決定的な転換点として記録されています。1973年に日本テレビ系列で短期間放送された前作の終了から約6年、シンエイ動画の手によって新たに命を吹き込まれたテレビ朝日版『ドラえもん』が産声を上げました。その第1回放送に選ばれたエピソードこそが「ゆめの町 ノビタランド」です。
当時の放送枠は、月曜日から土曜日までの夕方6時50分から7時00分に編成された10分間の帯番組でした。初代声優陣にはドラえもん役に大山のぶ代、のび太役に小原乃梨子、しずか役に野村道子、ジャイアン役にたてかべ和也、スネ夫役に肝付兼太という、のちに四半世紀にわたって黄金期を築くキャストが勢揃いしました。夕食前の短い時間帯に毎日届けられる軽快なストーリーテリングは、瞬く間に全国の子どもたちを虜にし、驚異的な視聴率を獲得する国民的コンテンツへと成長していきます。
原作漫画は『てんとう虫コミックス』第3巻に収録された同名エピソードに基づいています。原作の持つユーモアと子どもの日常的な欲求を忠実に汲み取りつつ、アニメならではのテンポと大山のぶ代による温かみのあるハスキーボイスが合わさることで、お茶の間に決定的なインパクトを与えました。