「点火操作中は勢いよく燃えるのに、スイッチから指を離した瞬間に火が消えてしまう」という現象は、故障ではなく安全機構の正常な作動による防衛反応です。2008年以降に製造された全バーナー搭載コンロには、Siセンサー(過熱防止装置および立ち消え安全装置)の設置が義務付けられています。
バーナーの中央に突き出ている金属ピンは、鍋底の温度を測定する熱電対を兼ねています。点火直後、このセンサーが火の熱を感知して微小な熱起電力を発生させ、内部のガス電磁弁を開いたまま保持します。しかし、センサー表面に炭化した調味料や油汚れが固着していると、熱伝導が遅延し、基板が「火が消えている」と誤認して電磁弁を遮断します。
このトラブルを解消するには、コンロが冷えた状態で金属センサーの頭部と側面を硬めの布で拭き取り、付着した皮膜を取り除きます。加えて、底が大きく変形した中華鍋やフライパンを使用していると、センサーが鍋底に均一に接触せず、保護機能が誤作動して消火に至る場合があります。平底の調理器具に載せ替え、5〜10秒ほど点火ボタンを長押ししてセンサーを十分に温める動作を試みてください。