日本全国の城山の中で、圧倒的な知名度と集客力を誇るのが、鹿児島県鹿児島市城山町に位置する展望台です。標高わずか107メートル。東京タワーのメインデッキよりも低い位置にありながら、展望デッキに立った瞬間に広がるパノラマは訪れる者の息を呑みます。
展望台の正面には、穏やかな波を湛える錦江湾(鹿児島湾)が横たわり、その対岸には現在も活発な火山活動を続ける桜島が堂々と構えています。南欧のナポリ湾とヴェスヴィオ火山になぞらえ、「東洋のナポリ」と称される鹿児島市の都市景観が、海岸線に沿って整然と広がる様は圧巻の一言に尽きます。人工的な高層ビルから眺める無機質な風景とは異なり、南国の温暖な植生と、絶え間なく立ち上る白い噴煙という「生きている地球」の息吹を間近に体感できる点が最大の魅力です。
朝焼けに染まる日の出・夕日の時間帯は、光の角度によって桜島の山肌の陰影がドラマチックに刻一刻と変化します。さらに日没を迎えると、九州有数の歓楽街・天文館を中心とする鹿児島市街地の明かりが一斉に灯り、一級の夜景スポットへと変貌します。湾の水面に揺れる街明かりと漁火、そして夜空に黒々としたシルエットを浮かび上がらせる桜島のコントラストは、他所では決して味わえない唯一無二の情景です。