仙台城跡の景観を語る上で欠かせないのが、本丸東面や中門跡を支える長大な切込萩(きりこみはぎ)の石垣です。しかし、この堅牢な石積みは近年、度重なる自然の脅威に晒されてきました。2011年3月の東日本大震災では本丸北西部の石垣が大きく崩落し、約4年の歳月をかけて高度な修復が行われました。
さらに2021年2月および2022年3月に発生した福島県沖を震源とする地震により、本丸東側などの石垣の一部が再び孕み(はらみ)や崩落の被害を受けました。市は文化財保護と防災の両立を図るため、崩落した築石のナンバリング管理、伝統的な石積み技法の踏襲、耐震性を補強する背面裏込石の改良など、綿密な石垣復旧工事を実施してきました。
積み直された石垣は、単なる修復物ではなく、災害の歴史と文化財修復技術の継承を静かに物語る生きた遺構となっています。見学の際は、崩落を免れた慶長期の野面積みと、後年に改修された整然とした切込萩の積み方の違いを観察することで、城郭の変遷をより立体的に捉えることができます。