日本国内で『眠れる森の美女』が放送される際、日本テレビ系「金曜ロードショー」などを通じて親しまれてきたのが、実力派声優陣による吹き替えです。フィリップ王子の日本語版音声には、時代ごとに複数の名演が存在します。
初代吹き替え版(1960年公開時)では片山明彦が担当し、クラシック映画らしい気品ある語り口が印象を残しました。その後、1979年の再公開版では黒沢良が演じ、重厚感のある王道の王子像を確立。そして現在、ディズニーのオフィシャル配信(Disney+)やBlu-ray/DVD、近年の地上波放送で最も広く親しまれている新録版では、俳優・声優の立川三貴がセリフを担当し、歌唱パートはすずきまゆみ(オーロラ姫役)とともに劇団四季出身の古澤泉が優雅に歌い上げています。格調高くも若々しい情熱を秘めた吹き替え表現が、作品の普遍的なロマンスを一層引き立てています。